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お食い初めの料理は何を準備すればいいの?
「一汁三菜」 ①鯛②赤飯③お吸い物④煮物⑤香物を準備するのが主流です。
お食い初めの基本的な献立(メニュー)は、「一汁三菜」(いちじゅうさんさい)です。
多くの地域では、①焼き魚(鯛)②赤飯③汁物(お吸い物)④煮物⑤香物を用意するのが主流のようです。
余裕があるお母さんは手作りされると、より思い出に残ると思います。お忙しいお母さんは、スーパーのお惣菜などで代用可能です。その場合、たくさんの食材を買わなくてもいいので節約にもなります。
※ちなみに一汁三菜とは、ご飯に汁物、おかず3品(主菜1品、副菜2品)で構成された献立です。厳密には、飯、汁物、煮物、焼物、なます、香の物です。飯と香の物は数えません。
なぜ一汁三菜(いちじゅうさんさい)なの?
一汁三菜は健康的な献立であり、赤ちゃんの健やかな成長を願うものだからです。
昔ながらの日本の食事は、一汁三菜が基本です。一汁三菜は、炭水化物(ご飯)、水分(汁物)、その他栄養(おかず)を摂取できるとてもバランスのいい食事です。
さらに一汁三菜は「三角食べ」の意味もあります。三角食べとは、それぞれのお料理を三角を描くように順番に食べることをいいます。主菜、副菜の間に汁物やご飯を挟むことで、バランスよく早食いを防ぎ、胃腸に負担をかけない、健康的な食べ方です。
赤ちゃんの健やかな成長を願うお食い初めの献立も、まんべんなく栄養を摂取することができる食べ方にあやかっています。
お食い初めに使う食器は?
普段使いの食器で問題ありません。本格的であれば漆器を用意してください。
お食い初めに使う食器は、普段使いのものでも問題ありません。
本格的に行いたい場合は漆器を使うのが良いでしょう。食器の色は、男の子が朱塗りで、女の子は外側が黒塗りで内側が朱塗りの漆器を使います。
祝い箸は、縁起が良いとされる柳(やなぎ)の白木を使った箸を利用しましょう。
お食い初めのメニューは?
①鯛②赤飯③お吸い物④煮物⑤香物です。
①尾頭付き祝い鯛
鯛は赤い色がおめでたいということからお祝い事によく登場する魚です。
お食い初めに欠かせない鯛は、頭から尻尾まで一匹丸ごと用意しましょう。「首尾一貫(初めから終わりまで全うする)」の意味から、長寿をの願いが込められています。
鯛がめでたいとされるのはなんで?
鯛は古くからお祝いの席で振る舞われてきた魚です。「めでたい」の語呂合わせであるのに加えて、体の色や寿命、味、栄養価の高さから一番の縁起物食材とされてきました。
さらに鯛の体は鮮やかな赤色で、神様が好む色、邪気を祓う色といわれ、神様への献魚としても重用されていました。七福神の恵比寿様が抱えているのも鯛であり、昔からお祝いの席で食べられてきました。
また、鯛は、ときには40年以上生きるほど寿命が長く、栄養価が他の魚に比べて高いことも、お祝い事にぴったりな理由です。昔から「人は武士(ぶし)、柱は檜(ひのき)、魚は鯛(たい)」と言われるほど昔から日本人には色・味・姿と三拍子揃った魚の中の魚であるとさています。
②赤飯
赤飯には邪気をはらったり、魔よけの意味がこめられ、お祝いの席で振舞われてきました。
古来から赤という色には邪気を祓う力があると信じられてきたからです。地方によっては、悪いことがおきるとお赤飯を食べて、凶を返して福とする「縁起直し」を行う地域もあるようです。お食い初めでは、赤ちゃんが病気や災難に遭わず、健やかに成長するよう、願いを込めてお赤飯をいただきましょう。
③はまぐりのお吸い物
お食い初めでは主に蛤のお吸い物が用意されます。蛤は二枚貝がぴったりと合うことから、良縁を意味します。というのも、蛤は対になっている貝以外とは殻が合わないことから、一対の貝のように良い伴侶に恵まれ、幸せになってほしいという願いがこめられています。
④煮物
おめでたい意味のある食材や、旬の野菜を煮物にしましょう。人参、大根などがおすすめです。
大根 大根は土深く根を張ります。その大根を頂くことで人生がいつまでも末永く安定した状態に保たれるという意味があります。
人参 にんじんの赤はおめでたい色とされており、さらに「ん」がつくことから、運がよい食材といわれます。
れんこん 穴があいていることから、先が見える、見通しがきくようにと明るい先行きを表します。さらに「ん」がつくことから、運がよい食材といわれます。
昆布 「よろこぶ」にかけて、一家発展の縁起物食材です。野菜は飾り切りをすると、見た目の華やかさが増します。
かぼちゃ 「亀の甲羅」の形の六角形に。長寿の願いが込められています。
たけのこ まっすぐにすくすくと成長するようにという意味があります。
⑤香の物
香の物(漬物)には長寿の意味があります。香の物の代わりに、なますなどの酢の物を用意しても良いでしょう。その場合、紅白なますにすると縁起がよく彩りもきれいです。
また、たこの酢の物も「多幸」にかけて縁起物とされています。
紅白はなぜ縁起がいい色なの?
赤色が赤ちゃんというように出生を意味し、白色が死装束の色のように死や別れを意味します。その 2つの色を組み合わせることによって人生そのものを表しているため、縁起がいいとされています。
他にも花嫁衣裳の色であるという説、古来から赤飯を炊いて祝っていたことから赤飯の色であるという説などが主な由来として知られています。
歯固めの石
歯固めの石とは、石のように丈夫な歯が生えますようにという願いを込めて用意するものです。お食い初めの際、石に箸をつけ、その箸を赤ちゃんの歯茎にちょんちょんとあてます。これを歯固めの儀式と呼びます。石の代わりに梅干しを使用することもあります。梅干しのようにシワができるまで長生きできますように、という願いからです。
おまけ 地域の違い
お食い初めメニューは地域によって差があります。
北海道・東北地方 日本の北の方のお赤飯は、甘納豆を使用し、ご飯を炊く地域もあります。
関東地方 飯椀(赤飯)→お吸い物→飯椀(赤飯)→鯛→飯椀(赤飯)→お吸い物を1サイクルとし、ひと口ずつ食べ物を食べさせるふりをして、3サイクル行います。
関西地方 香の物に梅干を用意する方が多かったり、歯固め石の替わりにタコを用いる方が多いようです。
九州地方 博多では「ぽっぽ膳」という樹木を薄くして丸く曲げた器が用いられるそうです。曲物はハレの日には欠かせない物とされているようです。